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4TH-MARKETをめぐる旅 2019 【2】
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釉薬と新商品

 
釉薬。釉(うわぐすり)とも言います。陶磁器の表面を覆っているガラス質の部分。素地に水分や汚れが染み込むのを防いだり、割れにくく丈夫にしたり、色や質感を出して、器の印象を大きく左右する重要な行程。その裏話。引き続き春日さんにお伺いしました。インタビュー後編。






ソルベシリーズ

 
こういう感じでサンプルを作ってますっていうのを持って来たんです。

 
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――おおー!


これが、完成形の状態がこの辺のアイテムなんですけれども。

 
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例えばこれ(写真右ソルベ)は透明感があって、半分マットで、貫入が入っているという釉薬で、それがテストピースの状態がこういう感じのカラー。透明でマットって本来は矛盾しておりまして。質感のイメージとしてトレーシングペーパーとか、透明感がありつつマットな感じ。更には貫入も入っていますので、3つの条件を満たさなきゃいけなくて結構難しい商品ではあったんですけれど、釉薬の調整とメーカーさんの努力で。


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(右下マグとオーバルのプレートがソルベシリーズ)


これが透明でも、マットでも、普通なんです。こういう質感に仕上がったというまでの過程、釉薬メーカーさんの写真もあそこにあるんですが。


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陶器ってやっぱり釉薬がいちばん魅かれる部分のひとつかなと


 
――そうですね。


布で言う所のテキスタイルと同じ。陶器のメーカーで布のテキスタイルみたいなイメージでもってやっている所ってないと思うんです。僕ははっきりと、釉薬はテキスタイルと同じだと思ってまして、それぐらい重要性の高いものだと思ってまして。それも4TH-MARKETのひとつの特徴とかメリットのひとつにできればなと。


――なるほど…


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美濃の釉薬メーカーさんがいらっしゃいまして。その方がすごく熱心に、こっちがコンセプトを出したものに対して答えを返してくれるというやりとりができてるので。衣服だとテキスタイルはメーカーが成り立つほどのものですけれども、釉薬メーカーさんは技術や知識なんかもあるんですが、こんな風に投げかけてくる人なんていないわけで。一から作るというのは、手間もコストもかかるので、釉薬メーカーさんには本来は嫌なことなんですけど。その方は勉強熱心で好奇心も旺盛で、積極的に協力してくださるので、4TH-MARKETもこういう特徴を出していけるというか、貢献していただいてるという。


――長くずっと一緒にやってらっしゃるんですか?


そうですね。最初にその話を投げかけてから多分…6年…くらいかな。最初の辺はやっぱりね、スタート地点はまだ4TH-MARKETどういう方向に行くのかなというのがわかんなくて、いろいろ試行錯誤して。で、地元の釉薬メーカーさんを当たりながら、少しずつそういうことに応えてくれる人と出会っていったっていう。普通は「嫌だ」って言う。「できない」って言う。「やります」っていう人は貴重で、大切な存在です。






ガナッシュシリーズ


ガナッシュも、決定はこれで、チョコレートやコーヒーのビターな感じのイメージ?が、最終的な完成系なんですが、バリエーションとしてはこういう感じもありまして。


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――チョコレートみたいな質感ということですか?風合い?


そうですね。最初にイメージしたのは、バレンタインデーとかで、チョコレートやチョコレートケーキに合うような食器ができないかなというのがあって。これはですね、チョコレートやお菓子の実物や写真なんかを釉薬屋さんに持って行くんですよ。で、近しい釉薬をある程度選んだもらった中で相談して、これはこういう風な釉薬の傾向に振ったらこんな様子になるんじゃないか、色味はこれはできます、これはできませんていうような話し合いをしながら、パターンを何段階かしてもらいつつ、最終的にこれっていうのを選んでいくという。なのでこの辺なんかの(サンプル左端)ミルクテイストな感じでも良かったと思います。






ディスカシリーズ

(ディスカシリーズはそれぞれ、洋梨、巨峰、茘枝(ライチ)という名前が付いています)


これは元のベースの釉薬がちょっと果物感があったので、洋梨の実物を持って行って、こっち側に振れないかって相談をしながら。


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――それで名前が「洋梨」なんですね。


洋梨があるなら果物シリーズでバリエーション広げられないかなと思いまして、この辺は巨峰みたいなイメージに持って行ったりとか。これに関してはベースがあって、より実際の巨峰や洋梨や何かっていう……リンゴとか、桃とか、他にもあったんですけど、食器として馴染みそうで、完成度が高かったものを選んだっていう。ただ、メーカーさんによって、このテストピースをやってる窯と、量産するメーカーさんの、生産体制の中の窯では、結構環境が違うものですから、テストでは良かったけど、大量に作り始めるとうまくいかないっていう。同じ半磁器の釉薬で、同じ酸化の釉薬(※)でも、全然違って出てきますから。


※陶磁器の焼き方には、有酸素の状態で焼く酸化焼成と、無酸素の状態で焼く還元焼成があります。


――なんでなんですか?


やっぱり温度もありますし、冷却するスピードとか。ほんとに数度の違い、数時間の違いで、釉薬って変化しちゃうものですから、表情が変わっちゃうんですね。それを擦り合わせるのが非常に大変。これ(テストピース)は、この時点ではまだ、釉薬メーカーさんのテストピース用の窯なんですよ。で、それはまだ理想の完成形で、メーカーさんが生産に入った時に、違いをテストピースに擦り合わせる作業をしなくちゃいけない。


――回数で言うとどれくらいかかるものなんですか?


物によって、すんなりいくやつもあれば、ソルベシリーズなんかは、条件が非常に難しいわけなんですよ。透明感が強すぎても、マット感が強すぎてもだめというのを、やり続けるのに多分一年以上はかかってたんじゃないかな。


――はあ……(一同感嘆のため息)






ポルカドットシリーズ


――最近でいちばん難しかったのは?


全部難しいんですけど……


――(笑)


今回新商品で出したもの、水玉斑点釉薬なんですけど。落し所をどうしようかと。これが最初の釉薬メーカーさんでやってるところで。


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(下段左と真ん中)


水玉ドット柄って、彫りとか、印刷的なイングレー転写みたいなのとか、いろんな方法ありますが、4TH-MARKETであれば、質感の自然な変化によって生じるそういうのができないかっていうのがそもそもコンセプトで。こんな釉薬やってる所まずないと思うんですけど。このポッチが鉄製の成分なんですけど、これは本来は、生成する段階ではじくものをわざわざ入れてるんですね。これが一個でも入ってると不良になりますから、普通ははじくんです。


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(左手前がポルカドットシリーズ)


――不純物みたいな。


そう。で、わざわざはじいた分を集めて、入れて、やったら水玉になったんで、おもしろいんじゃないかと。布なんかでも、絞りでもそうですけど、自然に過程の中で生じる柄の模様ってあるじゃないですか。そういうものが、釉薬で表現できないかなと思って、これはやったものなんですけれども。これはかなりアイディアとしても斬新だと思うんです。自分で言うのもなんですけど。(笑) やってる奴いないだろうと。(笑)


――(笑)


布とかでも、自然に生まれる柄ってやっぱり昔からあって、永遠に愛されるものじゃないですか。僕も作る人間としてああいうものが少しでも作れたら……それはすごい難しいことだなとは思っていますけれど。
ちなみに今、和菓子をメインでですね、和菓子の質感ですね。作ってるんです。(笑)


――釉薬ですか?


そう。和菓子屋さんで和菓子をいろいろ見てて和菓子の質感もなんか素敵でいいなと思ってまして、釉薬ざっと見てた時に和菓子できるんちゃうかなと思って。「和菓子作って」っていう話から始めて。(笑) 例えば大納言のあずきとか、そういう和菓子の特徴的なカラーも美しいですし、質感も柔らかいですし。「おいしそうな食器」、やりたいなと。柚子とか、羊羹的な質感とか、表面がモチっとしたタイプの和菓子とか。独特の風合いとか色合いとかあるんで、釉薬的におもしろいんじゃないかというようなのをちょっとチョイスして「できない?」つって。(笑)


――わー、たのしみ!






今後更なる挑戦をしていく4TH-MARKET、そのプロダクトにこれからも要注目です。



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そして。
アレゴリーホームツールズ川崎アゼリア店にて、
引き続き4TH-MARKET企画展を開催中です。
インタビューに出てきた新商品、
ポルカドットシリーズも勢ぞろい!

3月3日(日)までの期間限定です。
ぜひぜひ、足を運んでみてください!



 

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